「死生観」
中村哲さんの本を読みました。
そもそも医者なのに、ユンボを運転して灌漑用水路や井戸を掘って
アフガニスタンの砂漠を実りの緑にして、人々の生活が成り立つように30年も貢献されました。
アフガンのひとが難民となったり、争いごとを少なくして生きていくために。
ご自身も息子さんを10歳で亡くされています。
地雷などで片足を失った人は、杖をついてなんとか生きていけるのですが、
両足を失くした人は助けない。
山岳地帯では車椅子なんてないし、その家族たちも食うや食わずなのでお世話できない。
共倒れを避けるため、暗黙の掟だそうです。
日本では論外ですが、人の死が日常化していない日本ではそもそもかけ離れています。
中村哲さんも、「○○を考える会」とか、「米国とアフガン戦争」とかいう演題で
講演を依頼されるそうですが、募金集めの為もあるので引き受けて居られたようですが、
内心はいくら現状を言葉で綴っても理解されないし、お金さえ出したら何とかなるン違うの?と、
感じることが多いので、平和な国での公演は快く思っておられないように読めました。
特に日本に一時帰国するたびに、いまの日本に違和感を訴えて居られました。
最後は車中で銃撃にあって亡くなられました。
自分以外の人の為に、金も名も要らない。
戦闘が普通の国なので、もしかして命も・・・
なにか、息子さんに背中を押されてはったんかなぁ、と思いました。
ホントに日本は蝕まれている。